さて。そんなこんなで、「沈黙天使と夏の雨」、如何でしたでしょうか。
この作品はMediaWorksが主催する第11回電撃大賞小説部門への応募作として執筆したものです(応募時名「天使舞う」)。執筆期間は平成15年の春から夏。丁度物語と同じ時期に書き上げた覚えがあります。作中に登場する地名、並びにアクトシティ、アクトタワーという区画/建造物は実在しますので、興味があれば浜松市のホームページへどうぞ。確か乗ってる筈です。多分。
先にこの作品が応募作であることは述べましたが、勿論、と言いますかなんと言いますか、とにかく選考の途中で洩れたのは事実です。一次選考はどうにか突破できましたが(その節ではお知らせになって下さった方々への感謝をここで再び示したいと思います。ありがとうございました)、その後の二次選考で当然の如く落選。本来ならそんなものをお見せするのは単なる恥さらしなのですが――そろそろ今年応募した作品の一次選考結果が発表されるので、それに対する自戒、という意味も込めて公開するに至りました。
ですから、この作品には欠点がごまんとあります。同時期に始まった川上氏の終わりのクロニクルを明らかに意識しすぎている、と言うより最早劣化コピーと言っても問題が無い点、物語がやけにこじんまりとしている点、などなど。技術的にも、当時の主張だったのか、「――――」が多用されているというのもあります。
そんなこんなで、いまにしてみれば何も考えずにデリートしたくなるような作品ではありますが――僕の長い目標であった一次選考を、初めて突破した愛しい作品でもあります。ですから、僕がこれを忘れることはこれから先もずっとありえないでしょう。
次の目標は、勿論二次選考通過。そしてデビューと掲げています。どれほどの時間がかかるかは分かりませんが、けれど諦めなければ必ず届くと信じて行こうと思います。
それでは、あとがき代わりの解説はこれで終了とさせていただきます。
いつか、書店を通し僕の名が皆さんの目に触れる日を願いつつ、研鑽しながら。
平成17年6月27日 四条あや